馳浩の生き方指南

男女が同じ立場で働ける職場は
【質問】
私は国連や赤十字など世界的な仕事や、新聞社などに興味を持っています。しかし、公民の授業で、女性なので銀行の窓口の業務しかできない人の話などを聞き、少し不安になりました。性別による差別を受けず、男性と同じ仕事がしたいのですが、どのような仕事が男女同じ立場で働けるのか教えてください。

(北海道・3年・華のジュケンセイ)

【回答】

 憲法では、男女平等を唱えていますが、まだまだ現実の社会では、女性が差別されている例が多いようです。特に賃金や昇進の格差がよく問題とされ、裁判にまでなっています。

 このような事例をみている限りでは、一般の会社で多く起こっているようです。もちろん、男女の差別なく、むしろ積極的に女性を登用している会社もたくさんありますから、適齢期になり、会社に就職する場合は、この辺をよく確かめてから、就職するとよいと思います。

 しかし、そうはいっても、会社の内情はそう簡単にはわからないでしょう。また、就職口が少ないときには、就職できるだけ『まし』という場合もあるでしょう。こんな時はどうしたらよいか、ここが問題だと思います。思うに、こういう場合は、資格を有する職業に就くことをお勧めします。例えば、医者、弁護士、社会保険労務士、看護婦などです。こういう、資格がなければできない職業は、男女の差別はあまりなく、問われるのは、個人の能力の差だけです。これからは、学歴というより資格社会が到来すると私は思っていますから、まずは資格を必要とする就職を念頭においてください。

 次に、資格に準ずるものとして、大学卒業後も大学院などに入って、自分の専門分野の研究を重ねて博士号をとることもお勧めします。その時は近い将来あなたの専門分野を生かした職業に就くことができ、専門分野には、男女の差別がないので、同等の立場で働くことができます。

 最後に一言。これからの社会は、女性の能力をいかに有効に活用するかで、その社会の発展が決まるといってもよいくらいです。ですから、女性だからいって、卑下することは決してありません。むしろ、女性であることに誇りをもって、『女性である私が、次代を切り開くんだ』という気構えでがんばってください。加えて、事実、男性もつらい仕事をしています。その男性と対等に仕事をするのであれば、一部の女性にみられるように、女性であることに甘えてはいけません。

甘えている限り、男性から真に対等には見られないからです。

資格か専門を生かす職業を。甘えは大敵だ

平成10年1月18日掲載


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