若者よ、

気軽に議論しよう


(平成8年3月25日付)



 突然だが、この連載も今回が最終回となった。昨年7月、参院選に当選してから8か月。早かった。この間、休みは1日だけ。それでも、政治家になってよかった。こんな自分でもこの国の方向性を決める立法府の中で意見を出していくことができる。当事者として責任を与えられているという喜びがある。プロレスとは全く別の世界に住むことを心配してくれる人が多いが、生き生きやっている。

 最近では一生、政治家を続けていきたいと思っている。といっても、80歳まで議員でいる気はない。(当選させていただくことが前提だが)世間の定年と同じ60歳で引退、その後は一市民として政治に参加していきたい。カルチャースクールで教えたり、講演会をしたり・・・・。「国づくりは人づくり」教員時代からの信念を貫きながら、議員でなくてもできる活動をしていきたい。

 報知新聞の読者にメッセージを残すとすれば、「若者よ、政治に参加しよう」ということかな。昨年の参院選投票率は 44.52%と史上最低。政治不信は頂点に達していた。特に若者の政治離れ、無党派層の増大は深刻だった。

 自分なりに原因を考えた。政治家が国民の近くにいない、声を聞いてくれない状況に問題があると感じた。それ以来、市民(特に若い人)が声をかけたくなるような政治家になろうと頑張った。週末は地元石川県に必ず帰り講演会、ミニ集会、稲刈り、養護施設での手伝いなどのボランティア活動。何万人の有権者と話しただろう。

 政治家を身近に感じ、気軽に論議できる環境こそが政治離れを防ぐことになる。政治不信、投票率低下は政治家の努力不足。街頭に、集会に、メディアに、どんどん出るべきだ。そう思うと、休みたくても足が自然に動いていた。お陰さまで多くの人が声をかけてくれる。普段のたゆまぬ草の根運動こそ政治の本道だろう。

 政治家が有権者を常に意識して、汗をかいて声を集めてまわるのと同様、政治家に訴えるチャンスがあれば進んで参加して意見を述べていくことを有権者にお願いしたい。「自分一人じゃ何もできない」と思っている若者には「あなたの意見は必ず反映される」と言いたい。政治に疑問を持ち、疑問を解決してくれる政治家にアプローチしてほしい。行動しないことには何も生まれない。

行く月と 昇る朝日や 永田町

 町で見かけたら気軽に疑問、不満をぶつけてほしい。議論できる日を楽しみにしています。

 ご愛読ありがとうございました。


 

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