政治家も考えなくちゃ

”いじめ問題”


(平成8年3月4日付)



 先週は環境特別委員会、先々週は文教委員会と立て続けに質問する機会にめぐまれた。質問内容を考え、絞り込み、資料を読んでいるうちに夜が明けている。この2週間はその繰り返し。ほとんど寝なかった。頭をふり絞り、プロレス時代とは違った汗をかいている。心地いい汗だ。

 文教委員会では「ドーピング問題」について論議した。ドーピングといえばソウル五輪男子百メートルで金メダルをはく奪されたベン・ジョンソンを思い出す人が多いだろう。感動が大きかった分、スポーツって何なんだとすごくショックを受けたことを覚えている。

 人間の才能は平等ではないが、努力は無限だ。五輪に出るだけでも大変なのに、金メダル争いをするとなると人にはいえない努力をしているはず。努力して鍛えた自分の肉体だけを使って、競う。この公平性がスポーツの根本思想にある。薬を使用してしているヤツが金メダルを取るなんて許せない。

 先日も日本で五輪候補選手がドーピング検査にひっかり、出場停止3か月の処分をくらった。指導者が風邪薬をうっかり飲ませてしまったからだという。もし、選考会でこのようなことが起こったら悲劇だ。”うっかり”が今までの努力を無にさせ、常習者ともみられてしまう。

 そうしたことがないように各競技団体が選手や指導者に対して「アンチ・ドーピング」の意識を高めてほしいというのが今回の提言。アマだけでなくプロの団体、プロ野球、大相撲、プロボクシングなどの団体に行き、ドーピング禁止を申し入れたい。

 「ドーピング」とともに文教委員会で質問したのが「いじめ」の問題。兵庫の高校で女友達を巡り、同級生を殺すという事件が起こった。いじめは根が深い。いじめられっ子が自分より下の者をいじめたりする。文部省がいじめ対策本部を作り、日教組も対策を提言するなど、いじめ問題への関心は高い。

 政界では文教委員会が中心となっていじめ問題を考えているが、今回、文教委員会の下に「いじめ問題検討小委員会」の設立を提言した。厚生委員会の下に「薬害エイズに関する小委員会」があるように、文教委員会よりも機能的に、より深くいじめについて政界でも考えなくてはいけない時代だと考えたからだ。

 小委員会は設立の方向といっていいだろう。自分の提言が受け入れられ、世の役に立つ。素晴らしいことだ。今後も、いい汗かいて前進するのみだ。

いじめても いじめられても 春の空


 

[ デスマッチトークINDEXへ ]