やっぱり納得できない

”住専処理案”


(平成8年2月5日掲載)



 最近、本当に困っている。東京にいても、地元・石川に帰っても有権者から住専問題の処理問題について「どうして国民の税金6850億円を使うんだ」と厳しい口調で質問される。そんなときは「今処理しなければ不良債権が膨らむ一方になるんです。皆さんの税金が使われることによって、日本の金融システムも安定するし、世界的恐慌も食い止めることができるんです」と説明している。なかなか納得してもらえない。当たり前だ。私自身が納得していないんだから。自分が納得できなくて、どうして人を納得させることができるのか。

 確かにこのまま不良債権が増えていけば日本の経財力が低下し、銀行への取り付け騒ぎが起るなどして大恐慌が起るかもしれない。今解決しなければならない、という意見も分かる。処理案を先送りしたとき、銀行がどれだけつぶれるのか。どんどんつぶれたらどうなるのか。考えれば考えるだけ、一刻も早く解決しなければならないと思う。

 だが、借金を踏み倒したやつらのために国民の税金を使うのは、やっぱりおかしい。納得できない。「住専問題を早期解決する」ことと「国民の税金が使われる」ことが結びつかない。住専のオエライさんの中で、いまだ高級車に乗り、高級クラブで毎晩飲んでいる人もいると報道されている。こんなやつらのために、汗水たらして働いたお金の一部を差し出すなんて冗談じゃない。

 借りて返さないやつ、返すあてのないところに貸したやつは刑務所行きだよ。住専に天下りし、高い退職金をもらった元官僚は退職金返却。もちろん、経営が悪化している住専や住専が融資している不動産・建設業界から政治資金を受けていた政治家も返却するべきだ。いくら正当な政治献金だといっても、モラルに問題がある。これらの人を国会に参考人招致、証人喚問して事実を明らかにすべきだ。

 と、激怒しながらも、一方で「与党の中で決めたことに関しては政策として予算を通さねばいけない」と感情論をいさめるいる自分がいる。一度決めたことだから住専処理案と予算案を速やかに通さねばならない。ただ、なぜ国民の税金なのか。なるほどと納得のいく具体的な回答をしてほしい。今週、政府は6850億円の積算根拠を答弁する予定だ。

 

うたがいを 降り残してや 夢の跡

 バブルという夢の時代が残したツケ、ウミが大きな問題になっている。
最近は酒を飲んでもグチしか出ないよ、まったく。


 

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