汗を流さない者に

夢はない


(平成8年1月8日掲載)



 石川で市町村長、後援会へのあいさつ回りをしていた時に村山首相辞任のニュースが飛び込んできた。村山首相が”引退”するとはビックリした。22日からの国会で住専問題などの責任追及に耐えきれないと判断したのだろう。橋本竜太郎首相が11日にも誕生する。新生自民党の真価が問われる。自分もいよいよ政治家としての正念場だ。

 プロレスラー馳浩を応援してくれた皆さん、本当に感謝しています。4日の試合(佐々木健介戦)は16分36秒、全力で戦ったけれど残念ながら完敗だった。足がついていかなかった。申し訳ない。

 引退、引退と周りは騒いでいたが、自分はプロレスラーに引退はないと思っている。ただ、思い通りの試合ができない練習不足の体でリングにあがることはプロとして恥ずかしい限り。新日本プロレスの道場で練習する機会も、当選直後は週に2、3度だったが、最近では月一度もできない状態だった。

 練習しない者がリングに立つことは許されない。現場を離れればプロレスラーとはいえない。政治家である以上は一線を退き、政治に全力投球したい。4日の試合は、”自主休学マッチ”だったと思ってほしい。

 10年間のレスラー生活、試合後心臓が停止したり、厳流島でのタイガー・ジェット・シンとの流血戦、海外での武者修行など・・・・思い出を挙げればきりがない。ベストマッチは94年12月13日、IWGPヘビー級王座に挑戦した試合かな。ヘビー級のベルトをかけてメーンイベントで試合をすることが入門したときの夢だったからね。負けはしたが満足感があった。

 なぜ、プロレスラーとして脂が乗り切っている時期に政治家になるんだ、とよく聞かれた。プロレスラーとして脂が乗り切っているということは人生で一番脂が乗り切っている時だ。世界各国を回り、日本という国を考え、教育・外交問題に疑問がわいてきたことで政治の世界にチャレンジしたくなった。

 リング上で教わったのは「努力すれば報われる」ということ。汗を流さないものに夢はない。政治家としては、まだ汗もかいていない状態だ。やれる限り頑張るよ。4日の試合後、佐々木健介に「中途半端な気持ちで仕事してたら国会になぐり込む」と力強い激励をされたしね。

 自分自身に対して期待、意欲、使命感をヒシヒシと感じている。プロレスラー馳のファンだった人、リングを国会に移して大暴れしてみせるから、厳しく見守ってほしい。

ひとつぶの 汗を信じる 初日の出


 

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