政治家も

タレントになれ


(平成7年11月27日掲載)



 オフレコ発言を暴露され防衛庁長官を辞任した江藤(隆美)さんには少しだけ同情する。発言の是非はともかく、信頼していた記者が約束を破って発言を公にしてしまったんだから。オフレコはあくまで他言無用であるべきで、暴露した記者のモラルを疑うね。

 マスコミの取材は高校時代から受けているが、たいてい好意的に取り上げてもらった。それでもイヤな思いをしたことは何度かある。 女房(タレントの高見恭子)との交際が初めて新聞に載った時、関係者の話として「スピード離婚女優とプロレス界一のプレーボーイがうまくいくはずがない」と書かれた。女房が早く離婚したのも事実だし、オレがプレーボーイだというのも紛れもない(?)事実だった。ただ、そのフレームだけで今回の交際をあてはめられるのは冗談じゃないと思った。しかも、事前に自分のところに取材にこなかった。不愉快だったね。いうまでもないが、夫婦仲は超円満ですので、ご心配なく。

 プロレス引退試合となる1.4の相手も議員になった直後に「馳、アントニオ猪木と前・現議員対決へ」と載った。記者が「1.4は猪木戦なんかおもしろいですね」といわれたので「そうだね」といっただけなのに、決定したかのような見出しが踊っていた。参院選でもタレント候補大勢のうちのひとりという扱われ方で、政策よりもパフォーマンスの部分が記事にされた時もありガッカリさせられた。

 文句ばかり書いてしまったが、マスコミが嫌いなわけじゃない。むしろ逆で、マスコミと政治家とはもっと共存共栄していかねばならない。我々はマスコミがないことには活動を広く伝えてもらえない立場なわけで、関係を大切にしたい。ただ、発言を正確に書かなかったり、真意を取り違えたりしてほしくない。

 幸い、私は報知新聞でこうして自分の活動や意見をいえる立場にある。けれども、7月の参院選で当選した多くの新人議員がどのような活動をしてきたか、一般国民はあまりわからないと思う。

 前々からいっていたが、これからは政治家もタレントにならなくてはいけない。取材を待っていてはダメ。自分からマスコミに働きかけなくちゃ。スポーツ紙の大見出しを飾るようにならないと。

「オフレコ」は 新聞記者の 二枚舌 それにつけても 的確一語

 政治家として一日も早く「オフレコ発言」するくらい責任ある立場になるぞ!


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