レスラーの心忘れず

政治家一本


(平成7年11月20日掲載)



 山口敏雄元労相の周辺が騒がしい。旧東京協和、安全信用組合の乱脈融資事件に絡み、山口さんのファミリー企業の経営を任されていた実姉と実弟が逮捕、約8億円の背任容疑などに問われている。お隣の韓国でも盧泰愚前大統領が収賄容疑で捕まった。約 315億円をわいろとして受け取ったとか。

 すごいというか何というか。政治には金が必要とはいうものの、このお金をどのように使ったのか。1年生議員の私にはとんと読めない。10万円単位で悲鳴が出る馳事務所とは大違いだね。

 参議院議員としての月給は議員歳費約 135万円+文書・交通費約 100万円の約 235万円。手取りは 180万円ほど。人件費75万円、事務所経費20万円、文書・交通費50万円、慶弔費20〜30万円。5万円しか残らない!

 月給以外に収入を得る方法は、公設資金団体(後援会)や企業などからの献金や政治資金パーティー、アルバイト(講演や執筆活動)など。それらの金で選挙準備などをしなければならない。非常に苦しいが、企業献金はもらわないことに決めた。

 政治家も有権者も意識改革が必要な時代だ。出馬した時、「何をしてくれるんだ」と有権者によくいわれた。彼らは道路、下水道の整備といった自分たちに直結する利益を望んでいた。利益誘導型でなく、国の将来を見据えた行政を行う政治家を有権者は選んでほしい。企業も見返りを期待して献金をするのでない。政治家も企業の代弁者になってはならない。

 こんな状態だから金に余裕ができる予定はないが、もし余裕があったら私の政治家としての理念、方向性を裏付ける議員立法を作ってくれる政策担当秘書を雇いたい。政府も米国のように、政策担当スタッフに金銭的補助を与えるべきだ。官僚任せの政治家が減るし、権力闘争より政策を第一に考える議員が増えるだろう。ファミリー企業をかかえて政治活動をする時代、豪腕がモノをいう時代は終わりだ。

 金も組織もないが、夢と力と仲間がある。金のない中でどれだけできるかチャレンジあるのみだ。

もの言えば ふところ寒し まつりごと

暖めておこう 我がこころざし

 今週から1句書いた色紙をプレゼントしたいと思う。私への要望などを書いてドシドシ応募してほしい。

 突然だが、プロレスは来年1月4日東京ドームでの試合が引退試合となる。プロレスラーの心を忘れず、今後は政治家一本で全力投球していくのでヨロシク!


 

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