農家に欲しい

若者のアイデア


(平成7年11月6日掲載)



 国会議員の朝は早い。午前8時から朝食会という名の勉強会があったりする。どんなに早朝でも、我が家では女房がおにぎりを作ってくれる。おにぎりを食べながら「きょうも頑張るぞ」と気合を入れて登院するわけだ。やっぱりコメを食べないと元気が出ないね。トーストじゃだめだ。

 そのコメだが、問題は山積している。今月1日53年間続いた食管法が廃止され、新食糧法が施行された。これによりコメはいつでも、どこでもだれにでも売れるようになった。これまで政府に保護され続けたコメづくりが新時代に入ったといえる。

 他の職種と違い、農家は働けば働いただけもうかるわけではなかった。政府がコメの値段を決めていたからだ。新食糧法になり、そんな心配はなくなった。働けば働くほどやりがいがある職場となった。

 ただ、精米や備蓄施設を向上させるなどコメづくりのための努力をするだけではダメだ。流通の自由化によって売るためにどうしたらいいか、販路拡大をどうしていくかという部分の努力も必要になってくる。農業が経営の時代になってきたのだ。各農家のアイデア合戦となる。よい知恵を絞った農家が生き残っていく。

 農家はコメづくりとともに後継者づくりにも頭を絞らねばならない。農家の後継者不足が叫ばれて久しい。私の家は農家だった。2人の兄も私も後を継がなかった。やりたい仕事があったということとは別に、働いただけもうかるわけではない農家の将来に不安があったのは事実だ。

 新法になり、多くの若者が経営に参画してほしい。農家にとって安心の時代は終わり、攻撃の時代に入った。攻撃は最大の防御でもある。頑張れば報われる。若者がやる気をもって、農家にパワーが生まれそうな気がする。

 消費者にとっては新法は大歓迎だろう。選択肢が広がり、作り手の顔が見えるコメを買うことができる。ウルグアイ・ラウンドで決まった外米も毎年輸入される。生産者の努力を消費者も理解して、食べるコメの勉強をしなければいけないだろう。もちろん、感謝の気持ちも忘れずにね。

 学生時代に家で食べたお米は本当においしかった。ご飯と漬物があれば、何もいらなかった。1日5合は食べていたんじゃないかな。コメは日本人の元気の源だ。外米も輸入されてくるが、やはり日本の土と水で育ったおいしいコメを食べたい。知恵を振り絞って農家の皆さん頑張ってください!

小春日や お米かついで 知恵比べ


 

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