小泉さんに見た

スポーツマンシップ


(平成7年9月18日掲載)



 

長い夏を 仰いで踏みしめる 赤じゅうたん

 完全燃焼を誓い、国会に初登院したのが8月3日。

この句を読んでから1か月以上がたった。あっという間だった。

 週末は選挙区に帰りあいさつ回り。平日は朝から勉強会、各省庁からブリーフィング、先輩議員との議論。議員会館に戻り、これらの資料を1日100ページ以上読む。通常国会も今月末から。とにかく、勉強することが多い。参議院の委員会に3つ、自民党の16部会に入った。ほかの議員より多いようだが、関心のある問題はどんどん勉強するつもりだ。中心は文教分野。教育、ボランティア問題に取り組んでいきたい。

 勉強に追われる中で、自民党総裁選のゴタゴタがあった。我々1年生参院議員の集まり「平七会」では公開討論会開催を要求していた。国民にわかりやすい総裁選びを実施すべきと考えたからだ。

 河野洋平総裁の不出馬には失望させられた。告示前に票読みに入ったすえの辞退。勝負は負けることを考えたらダメ。これはプロレス人生で確立された信念だ。勝つつもりで自分の信念を貫いてもらいたかった。

 小泉純一郎さんの推薦人問題でも自民党の"わかりにくい"悪い部分が出た。郵政3事業の民営化を掲げたため、推薦人が集まらなかったのだ。「小泉支持は干し上げる」の声も聞こえてくる。ある参院議員は「6年後(の当選)はないと思え」と脅かされたという。こんなことがあっていいのかよ。それに近いプレッシャーは自分にもあったが、断固、推薦人になった。自民党活性化のため立候補した小泉さんの意気に共鳴する部分があったからだ。3事業民営化には反対だが、全力で戦い、負けたら相手をたたえるスポーツマンシップを、この人にみるような気がした。

 2人の公開討論会は、直接対論がほとんどなく不満もある。が、やらないことには国民の意見も出てこない。会場で2人の議論を聞きながら討論会提唱者として感無量だった。私も参院選で対立候補とテレビ討論会を行なった。政治家は、明確に自分の意見を大衆の目前でわかりやすく訴えなければならないと痛感した。難しい資料を読みながら、わかりやすい政治の大切さをかみしめている。

 僭越(せんえつ)だが、読者の皆さんも政治に関心を持ち、勉強してもらいたい。国会、プロレス会場で見かけたら、厳しい意見をぶつけて欲しい。

 最後に、議員1か月を振り返って一句
 

菊月の 夜長忘るる 参議院

 勉強、また勉強だった...。


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