生活保護世帯にいやがらせとごまかし
札幌・白石区 黒田 道秀(65)
私は、生活保護世帯にたいする「いじめ」を放置できないとの立場から告発します。
Aさん夫妻(夫は七十五歳の障害者、妻は病弱)は生活保護を受けています。昨年秋、障害者手帳の交付に必要な診断を受けるため病院に行きました。Aさんが、病院までの交通費の支給を求めると、ケースワーカーは「支給の対象にならない」と言ったそうです。
私たちが「支給できるはず」と保護課に申し入れたところ、十二月になってやっと交通費が支給されました。
「黒田と関係をたて」
その後、ケースワーカーがAさん宅を訪問。「黒田さん(私)と関係をもつことは、保護課とあなたとの信頼関係を失うことになる。第三者を入れずに相談するように」と言ったそうです。さらにケースワーカーは、「黒田さんとの関係をたつように」と二回も電話でせまっていました。
また、別のひとりぐらしの障害者にたいしても、このような「指導発言」をしていたこともわかりました。
個人の自由意志だ
このことを重視した生活と健康を守る会では、保健福祉部長にたいして「事実を明らかにしたうえで謝罪し、二度とこうしたことのないように」と申し入れました。あわせて、「区民がどのような立場にあろうとも、相談する相手を選ぶのは個人の自由な意志にまかせるべきだ。ましてや障害と生活苦をもつこの世帯にこそ、その自由を保障すべき。それをも制限もしくは排除する指導は厳につつしまなければならない」と追及し、保護課の反省を求めました。
これにたいして1月十六日になって保健福祉部長名で回答がありました。それによると、「(そのようなことを)言った事実はなく」、「第三者を入れず直接のほうが真意が正確に伝わり、かつ、たがい
の信頼関係が築かれるので、何でも相談してください」と発言したということでした。
「信頼関係」とは
Aさんらは、このような「いやがらせ」をしながら、今度は言った事実はないと「ごまかし」をするのは納得できないとして、三回も保護課で、ありのままを証言しました。
保護課は「信頼関係」といいますが、はたしてこれで信頼が築かれるのでしょうか。
支給すべきものはきちんと支給すること、誰とでも自由に相談できる安心感を持たせることが信頼関係を築きます。Aさん夫妻には、交通費の件でのあやまちを謝罪してこそ、はじめて信頼関係が生まれるのではないでしょうか。
(資料)
世界人権宣言
第1条 すペて人間は、生まれながら自由で、尊厳と権利とについて平等である。
人間は、理性と良心をさずけられており、同胞の精神をもってたがいに行動しなければならない。